会社の生産性向上に寄与するものとは?
会社の生産性を上げることは非常に大きな命題であることは間違いありません。
ただ、まずは大きな枠組みという意味で日本の生産性がどうなっているか確認してみましょう。
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1.日本の時間当たり労働生産性は、49.9ドル。OECD加盟38カ国中27位。
OECDデータに基づく2021年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、5,006円/(日本円換算)。
米国8,534円の6割弱に相当し、OECD加盟38カ国中27位だった。
2.日本の一人当たり労働生産性は、81,510ドル。OECD加盟38カ国中29位。
2021年の日本の一人当たり労働生産性(就業者一人当たり付加価値)は、818万円/(日本円換算)。
順位でみても、1970年以降で最も低い29位に落ち込んでいる。2021年の実質労働生産性上昇率は+2.1%であった。
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[出典:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2022」]
ということで、働き方改革を推進している中でこの結果を考えると、まだまだ日本の働き方改革は道半ばというところで
しょうか。
それでも、肌感覚で感じるのは、都内と地方の推進具合の差。
都内では、ABW(アクティブベースドワーキング)という一つの働く手法が
盛んに取り入れられて来ています。
従来のフリーアドレスと混同しがちですが、大きく違う点は執務スペースの中で働くのか、そうでないのかの違いがあります。
ABWは自分の業務内容に合わせて働く場所や働く時間を自由に選ぶ働き方になります。
そのため、オフィス内での今までの島型や長天板の席だけが働く場所ではなく、オフィス内でも今まで執務で使ってこなかった場所が働く場所になったり、
自宅・カフェ・サテライトオフィスなども働く場になったりします。
では、なぜ地方に浸透していないのかという点は、
・都内への通勤の方が、地方への通勤時間より長いこと
通勤時間が長いと、その時間が大いに無駄になります。
都内通勤者は、会社に通勤せず、在宅勤務・カフェ・サテライトオフィスなど、近接地で働くことで、その時間を有効に利用でき、また、身体的負担も軽減するので、非常に有効であります。
逆説で考えると、地方の職場へは通勤時間が短い方も多く、尚且つ自家用車での通勤等もみられるため、ABWの必要性が
薄いとも考えます。
・スペース的なメリットが都内の方が勝っていること
都内の50坪を借りるの、坪単価は25000円を超える状況です。
一方で、千葉市内の50坪の坪単価は10000円程度。この状況を鑑みても、オフィスのスペース効率を上げるメリットが
多いのは、都内であり、地方でのメリットとはかなりかけ離れた状況です。
・そもそも「ABW」を深く知らない
都内であれば、様々なオフィスでABWが実践されており、営業の訪問等でも散見することができます。しかし、地方では
上記を中心としたABWに対してのメリットが薄い点もありますが、それ以上にABWを詳しく知らないという方も多いと
思われます。
弊社の営業に聞いたところ、この答えがあり、それは我々の営業不足、説明不足ということもありますが、しっかりと利点をお伝えできていないことがこの状況を生んでいると考えられます。
もちろん、すべての会社にABWの手法がフィットするとは思っていません。
それどころか、導入したところでデメリットの方だけ目立ち、効果を発揮でき
ないユーザーさんもあるかもしれません。
ABWを導入して、生産性が一気に上がるとは考えていません。
しかし、今まさに進んでいる日本の少子高齢化での生産人口の減少に対して、我々でやっていくことの大きなポイントに1人当たりの生産性の向上が重要で
あることは言うまでもありません。
ABWのメリットと「効果」
ABWには、これまでの働き方にはない、さまざまなメリットがあります。
下記は、過去の海外でのプロジェクトの「効果」をまとめたもの。
ABWは下図のように「個人」と「組織」のどちらにも様々なメリットをもたらす、画期的な働き方であることがわかり
ます。
※出典1:ヴェルデホーエン社
※出典2:The rise and rise of Activity Based Working, Leesman, 2017
従業員の満足度及び生産性の向上を目指して、ABWを検討してみてはいかがでしょうか。
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