10月も中盤に入り、少し驚くニュースが入ってきました。
のぞみ、ひかりの車内販売終了
のニュースです。
仕事柄、出張の多い私は、時間のない新幹線に飛び乗ることが多いです。
先日も、九州出張で東京駅からのぞみに乗っていったのですが。。
(↑ ここ突っ込みどころかもしれません。ベルカンプみたいですね。※ベルカンプをご存じない方はこちら)
東京に向かう電車が大きく遅延しており、総武線の到着が、新幹線発車の5分前。
総武線地下ホームから猛ダッシュしました。
ご存じの方も多いですが、総武線地下ホームは地下5階。そこから地上にある新幹線ホームまでは非常に遠いです。
大荷物を持って、階段を走る走る。
発車ベルが鳴る直前に、新幹線に飛び乗りました。
ギリギリ間に合ったものの、ここから5時間九州までの旅路です。
ちょうど夕飯時ということもあり、おなかとてもすいたと感じていました。が、私は食べ物飲み物を何にも持っていない状況でした。
座席について、荷物を棚に上げて。汗を拭いていると。。。
すこしして、車内販売がやってきました。
無事に。サンドイッチとか飲み物を買い込んで、目的地に向かうことが出来ました。
空腹を満たして、ふと思いました。
そういえば、車内販売終了だったよな。
このパターンの場合、どうなっちゃうんだろうと、ふと感じました。
どうやら、車内販売終了は、JR東海のエリアであり、JR西日本のエリアは継続のようです。
ということは、2時間半我慢すれば、山陽新幹線エリアで車内販売は買えるとのこと。
ただ、厳しいことに変わりはありません。
実は、車内販売は軒並み終了している。
今回、東海道新幹線「のぞみ」だから、大きくニュースになりましたが、
すでに各エリアの特急列車では、軒並み車内販売はなくなっており、
全部なくなるのも、時間の問題といったところです。
以前は在来線特急には、ほとんど車内販売はついており、
「お弁当に、缶ビール、缶ジュース、ホットコーヒーにおつまみはいかかでしょうか」
「また、沿線のおみやげ物といたしまして、千葉県銘仙の焼き蛤はいかがでしょうか」
こんな感じで、声かけをしておりました。
千葉県内の特急の車内販売は
実は、私、そのアルバイトを1年間以上やっており、
房総の特急「しおさい」「わかしお」「さざなみ」に乗務しておりました。
「しおさい」の場合は、1日東京と銚子を2往復
「わかしお」「さざなみ」の場合は1往復していました。
※今も走っているE255系(こちらの電車には車内販売員室があって、車内販売員は快適でした!)
もちろん、これら房総特急に車内販売が乗務していたのも、もう10年ほど前のこと。
私が乗務していたのは更にそこから10年以上前になるので、かなり前になります。
当時、大学生だった私は、電車にただで乗れて旅ができるという気持ちだけで、この仕事に応募し
実際に乗務していました。
ただ、当時の私でも、房総特急の社内販売の効率悪いなと思うことが多々ありました。
車内販売の生産性はとても悪い・・・と個人的に思っていました。
まず1つ目は、東京駅から2時間程度で行く、銚子、鴨川、館山ですが、
車内販売は後半1時間はあまり売れません。
というか、回るほどの価値がありません。
なので、一往復しても、実質勝負は行きの1時間と帰りの1時間の合計2時間です。
当時の私も、その前半1時間を勝負して、後半は流して、最後は「車内販売室」にこもって景色を見ていたことが
多かったです。
2つ目に、沿線の駅で弁当を仕入れるのですが、仕入れ価格が高く、
割が合わないと思うことです。
1000円のお弁当に対して、仕入れ価格が660円(当時)
1個売るのに340円の利益が出ますが、仕入れを全部売り切らないと、売れ残り1個当たり660円の損失が出ます。
そして、それを乗務員が乗っているお客様の人数や雰囲気で、帰りの弁当の個数を決めて仕入れていました。
一度、40個仕入れて、21個余らせたことがありました。
そうすると・・・。
弁当だけで、7400円の損失を出しました。
そのほかのものが売れたといっても、たかが知れています。
平日で一往復の乗務で売上5万円程度。
30%の利益があっても15000円
そこに、損失を出した分を引いて、そこから固定費を捻出しようにも。。
黒字が出る訳もありません。
そんなわけで、房総特急で車内販売が見合わないということは、明白です。
東海道新幹線が日本で一番、需要はあるはず・・・なのに。
ただ、東海道新幹線でやめるというのは、なかなかの決断です。
1300名超える定員で、最近の新幹線は混んでいるので、80%は埋まっています。
約1000人相手の商売です。チャンスは多そうに感じます。
冒頭の私みたいな人もいます。(その日は1500円くらい車内販売で使いました)
それでも、中止してしまうのですから、価値としては薄いのでしょうね。
その昔から比べると、改札内の売店の繁栄度は比較になりません。
「エキナカ」と言われる施設での売り上げは目覚ましいものがあります。
またホーム上でほぼすべてものが買える時代になり、食べ物、飲み物はもちろん、お土産まで
ホーム上で2~3分あれば買えるということを考えるとジリ貧だったのかもしれません。
このあと、車内販売が生き残る道は。
もう全くもって全部の車内販売がなくなってしまうかというと、
別の方法での可能性が残されています。
今でも観光鉄道にはあったりもしますし、その辺はうまくやることで伸ばしていくことが出来るかもしれません。
結構時々しか行けない場所の車内販売で売っているものって、長く大切にすること多いですね。
私は観光鉄道ではないですが、少し前に走っていた札幌行き寝台列車の「CASSIOPEIA」で買ったキーホルダーをずっと使っていてお気に入りです。
※もう買ったのが15年以上前だったので、ふるいキーホルダーの写真ですいません。
とはいえ、一般的な鉄道では風前の灯火、残念ですがその引き金をJRは引いてしまったのだと思います。
スゴイカタイアイスの行方
そして、車内販売が終わってしまうと。。。一つの心配があります。
新幹線車内で名物スゴイカタイアイスの行方は、どこへ行くのでしょうか。
もちろん、まだ営業している車内販売では売っていますが、東海道新幹線の管内で車内販売が終わってしまった場所では、
ホームの自動販売機で販売されるそうです。(一部すでに設置済み)
ただ、自動販売機であの硬さを再現するのは、簡単ではなさそうです。
やはり、スゴイカタイアイスはスゴイカタくないと、楽しくありません。
果たして、自動販売機で設置して、今までのような名物となり得るのか。見ものです。
SMSR0642
※スゴイカタイアイスがいかに硬いかの動画です。↑ クリックしてください。
今回は、開周堂の話から少しそれてしまいましたが、時代の変遷に伴うビジネスチャンスの変遷を書きました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
鉄道に少し関連したブログもあります。こちらから。