いまや、オフィスになくてはならないメッシュの張地のチェア
オカムラ、コクヨ、イトーキをはじめとした大手メーカーがこぞってメッシュのチェアを出し続けています。
この空前とも言えるメッシュチェアは何が始まりか、ご存知ですか?
通の方なら、ご存知でしょうし、若い方でも名前を知っている方も多い、ハーマンミラー社のアーロンチェアです。
1994年の発売から、800万台とも1000万台ともいわれるくらいの素晴らしいセールスになり、いまだに売れ続けている商品です。何がすごいかっていうと、背座メッシュの作りでありながら、機能的にたくさんのレバーがついており、当時の私は面食らいました。何せ、私が売っていたバーテブラチェアは、操作する箇所が1箇所(上下昇降)しかなく、アーロンチェアの操作が多過ぎて、お客様に説明するのが大変だったと記憶しています。
アメリカのドラマや映画、はたまた日本のドラマやニュースキャスターが座っている椅子として、たびたびテレビに映っているので、見慣れているかもしれませんね。
■日本でのメッシュチェアとは
舞台は日本に戻して、日本のメッシュチェアの始まりは。。。と言われてまず思いつくのが axona AICHI(愛知株式会社)のTECSですね。
1998年に発売したメッシュのスタッキングチェアです。
当時では考えられないデザインで、私が初めて見た大田区役所でびっくりしたことを覚えています。その時は、それを作ったのがaxona AICHIということも知らずに。
■そもそもaxona AICH(愛知株式会社)って何の会社?
axona AICHIのブランドを持つ愛知株式会社は、1939年創業の主に学校やホール、庁舎等のテーブル、チェアを製造販売する会社です。悲しいかな、今googleで「愛知」と検索してもヒットせず。「aichi」と検索しても3番目の順位で表示されてしまいます。ただ、チェアの分野では最先端をいく会社なのです。
■現代の折りたたみイスのルーツ
60年前に製造販売したFC-1200は、堅牢で無駄のないループ型構造、人間工学を取り入れたダブルカーブの背もたれ、カラフルな張地など、それまでの折りたたみイスのイメージを一新しました。新時代の折りたたみイスの礎として、現在もそのスタイルをとどめています。
そのほかにも、多数の世界初の開発を行い、世に出している愛知、気になる方は是非、愛知のHISTORYをご一読ください。
愛知株式会社 history
■その後もメッシュチェアを続々と発売
メッシュチェアの第2弾としてLUSHを発売したのが2003年、TECSより軽く、シンプルで価格も安いチェアとして世に出ました。今でも考えられないスタッキングチェア3.1kg(現在は3.3㎏)という驚異の軽さで、尚且つメッシュという点において、学校を中心として多くのお客様に使っていただきました。
第3弾のTIPOは2010年発売し、これが現在のaxona AICHIのメッシュのスタンダードになりました。のちにメッシュのネスタブルチェアとして送り出す、TIPO-NSTもこのシリーズになります。
■その愛知がメッシュ四半世紀に仕掛けるもの
TECSから四半世紀、愛知が仕掛けてきた次のチェアがこちら
Geneです。
おや、メッシュじゃないじゃん、って思う人、当然です。私も初めて見て、メッシュじゃないじゃんと驚きました。
これが、あれだけメッシュにこだわりを見せていたaxona AICHIのやることか?とも思いました。
しかし、愛知がここで仕掛けた商品。それなりに意図はあるなと思い、私独自で、こちらの商品をレビューしてみます。
■今までにない、厚張スタッキング
下写真を見てもらえばわかりますが、非常に分厚いクッションを使っており、最近の「軽く、薄く」を意識したスタッキングチェアとは一線を画したものになっています。
これだけの厚張りですごいと感心するのは、25脚スタッキングできることです。5.1kgとそこまで軽くはないのですが、さまざまな部分に工夫を凝らして、素晴らしいスタッキングチェアに仕上げています。
それ以外の特徴、詳しい内容は以下をご覧ください。
Gene|CHAIRS(チェア)|PRODUCTS(製品案内)|愛知株式会社|axona AICHI (axona-aichi.com)
そして、肝心な座り心地ですが、
分厚いだけあって、座り心地がいい!今までのスタッキングチェアとは、明らかに違う仕上がりになっています。
※薄型タイプも座りましたが、やはり分厚いタイプには敵わない、と感じています。
■大手が手掛けないところに活路を見出して
今回のGene、愛知の方の話を伺うと、大手メーカーが縮小傾向になっているホールや宴会場の椅子の部分に対してのアプローチだそうです。今まで、全部同じにしか見えなかった宴会場の椅子をこのように変えることで、宴会場の雰囲気も今風にチェンジすることができると思います。もちろん、ホールの椅子や会議室の椅子としても活用でき、少し高級感ある雰囲気を醸し出すことができそうです。
新しいものを敢えて作ろうとするaxona AICHIにこれからも期待ですね。